【入門 DHCP プロトコル】 DHCPパケットのシーケンスを説明

DHCP プロトコルとは

DHCP プロトコルとは、主に以下の設定情報を自動で設定するためのプロトコルです。
・NIC に IP アドレスの割り当て
・キャッシュ DNS サーバー
・NTP サーバー
・デフォルトゲートウェイ（ルーター）
・ホスト名

手動で設定することも可能ですが、設定を自動化するために DHCP プロトコルを利用します。

なお、家庭用ルーターでは、通常 DHCP サーバー機能を持ちます。

スマホやパソコンをルーターに接続すると、勝手に IP アドレスが設定されるのはこのためです。便利ですね〜！

本記事の以降の内容は以下の書籍を参考にしています。

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DHCP サーバーの仕組み

DHCP サーバーは以下のように動作します。

クライアント	メッセージ	サーバー
DHCP サーバーがいたら連絡をくれ	DHCP DISCOVER--->
	<---DHCP OFFER	俺が DHCP サーバーだ。この IP アドレスでどう？
いいね。その IP アドレスで頼むわ	DHCP REQUEST --->
	<--- DHCP ACK	じゃあ IP アドレスとオプション（後述）の情報をあげる

クライアント側は「DHCP DISCOVER」、「DHCP REQUEST」はブロードキャストで送信します。

これは「DHCP DISCOVER」、「DHCP REQUEST」を送信する時点では、自分の IP アドレスを持っていないため、IP プロトコルを利用した通信はできないからです。

DHCP ACK オプション

「DHCP ACK」で渡すオプションのうち、よく利用されるのは以下の項目です。

コード	設定内容
1	サブネットマスク
3	ルーターの IP アドレス
4	タイムサーバーの IP アドレス
6	キャッシュ DNSサーバーの IP アドレス
7	ログサーバーの IP アドレス
12	ホスト名
51	IP アドレスのリース期間期間が終わったら、延長 or DHCP サーバーに IP アドレスを返却

https://datatracker.ietf.org/doc/html/rfc2132

動作確認

DHCP サーバーに対するリクエストとレスポンスを見てみます。

sudo cat /var/log/messages|grep DHCP

dhclient[2649]: DHCPDISCOVER on eth0 to 255.255.255.255 port 67 interval 6 (xid=0x11111111)
dhclient[1111]: DHCPREQUEST on eth0 to 255.255.255.255 port 67 (xid=0x11111111)
dhclient[1111]: DHCPOFFER from 192.0.2.1
dhclient[1111]: DHCPACK from 192.0.2.1 (xid=0x11111111)

DHCP クライアント側の設定

DHCP により IP アドレスとキャッシュ DNS サーバーを自動で設定するには、以下のパラメータを指定します。

■ Linux の場合

/etc/sysconfig/network-scripts/ifcfg-eth0 で以下のパラメータを設定

パラメータ	値	説明
BOOTPROTO	dhcp	DHCP サーバーで IP アドレスを設定
PEERDNS	yes	DHCP サーバーでキャッシュ DNS サーバー（/etc/resolve.conf）を設定

cat /etc/sysconfig/network-scripts/ifcfg-eth0

DEVICE=eth0
BOOTPROTO=dhcp
ONBOOT=yes
TYPE=Ethernet
USERCTL=yes
PEERDNS=yes
DHCPV6C=yes
DHCPV6C_OPTIONS=-nw
PERSISTENT_DHCLIENT=yes
RES_OPTIONS="timeout:2 attempts:5"
DHCP_ARP_CHECK=no

■ Windows の場合