FHS (Filesystem Hierarchy Standard) とは

FHS (Filesystem Hierarchy Standard)FHS (Filesystem Hierarchy Standard) とは、標準的なディレクトリ名と用途です。
/
├── bin
│   ├── ls
│   ├── cat
(中略)
├── boot
├── dev
├── etc
├── home
│   ├── user
(中略)

なお、FHS は man hier コマンドでも確認できます。

man hier
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各ディレクトリの説明

/ ルートディレクトリ

/ は、階層の起点となるルートディレクトリです。

ディレクトリとは、フォルダを意味します。

/bin コマンドファイル

/bin は、ユーザーが利用するコマンドを置くディレクトリです。

ls コマンド (/bin/ls) や、echo コマンド (/bin/echo) などが置かれます。

/bin/echo test

/boot ブートファイル

/boot は、システムのブートプロセス (起動) で使うファイルを置くディレクトリです。

ブートローダーの /boot/grub2 などが置かれます。

/dev デバイスファイル

/dev は、デバイスファイル (ハードウェアを表すファイル) を置くディレクトリです。

/dev/cpu, /dev/mem(メモリ), /dev/nvme0(ストレージ) などが置かれます。

/etc 設定ファイル

/etc は、設定ファイルを置くディレクトリです。

/etc/passwd (ユーザーの設定) や /etc/hostname (コンピュータの名前) などが置かれます。

/home ホームディレクトリ

/home は、ユーザーのホームディレクトリです。

他のユーザーに見られたくないファイルは、/home/<ユーザー名> に置かれます。

/lib 共有ライブラリ

/lib は、共有ライブラリを置くディレクトリです。

プログラムの共有ライブラリ「/lib/java-1.8.0」や「/lib/python3.7」などが置かれます。

/media リムーバルメディアのマウントポイント

/media は、リムーバルメディアのマウントポイント用のディレクトリです。

リムーバルメディア (取り外し可能メディア) とは、CD/DVD ディスクや USB メモリなどです。

マウントとは、ディレクトリと USB などを紐づけることです。

/mnt ファイルシステムの一時的なマウントポイント

/mnt は、ファイルシステムを一時的にマウントポイントするディレクトリです。

ファイルシステムは、USB, SSD, HDD などにファイル経由でアクセスする技術です。

/opt アドオンパッケージ

/opt は、アドオンパッケージ (追加機能) を置くディレクトリです。

例えば、fluentd (td-agent) をインストールすると、このディレクトリに置かれます。

/proc プロセスやカーネルの情報

/proc は、プロセスカーネルの情報を置くディレクトリです。

PID が 1 の「/usr/lib/systemd/systemd プロセス」は、「/proc/1」にマウントします。

pidof /usr/lib/systemd/systemd
1

/root

/root は、ルートユーザーのホームディレクトリです。

/sbin システムの起動に必要なコマンド

/sbin は、システムに必要なコマンドを置くディレクトリです。

/sbin/useradd, /sbin/fsck, /sbin/lvm など一般ユーザーが利用しないコマンドが置かれます。

/srv システムが提供するデータ

/srv は、システムが提供するデータを置くディレクトリです。

/srv/http や /srv/ftp などのデータを置きます。

/tmp 一時的なファイル

/tmp は、一時的なファイルを保存します。

このディレクトリにあるファイルは、無条件に削除しても構わないとみなされます。

/usr マシン間で共有可能なファイル

/usr は、複数のマシンに跨って共有可能なファイルを置くディレクトリです。

/usr/bin はコマンドのバイナリ、/usr/etc はシステム全体の設定ファイルを置きます。

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/var サイズが変化するファイル

/var は、サイズが変化するファイルを置くディレクトリです。

ログ (/var/log/) などを置きます。

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関連情報

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参考資料

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lsb:fhs [Wiki]